地方創生 Will Project @滑川 体験レポート

この記事は4分で読めます


地方創生 Will Project @滑川 体験レポート


2022年1月22日(土)にホタルイカで有名な富山県滑川市で開催された「地方創生 Will project 実践講座」についてのレポートです。

■生きていく中で最高なことのひとつは、誰かと力を合わせて何かを創り上げる体験

生きていく中で最高なことのひとつは、誰かと力を合わせて何かを創り上げる体験です。私はこのような体験を生み出せる場づくりを目指して、試行錯誤を繰り返してきました。そんな中、滑川で素晴らしい体験をすることができました。

■地方創生 Will Project とは

私の経験上、単発のまちづくりワークショップは、参加者がいいアイデアを出してもその場限りで、ワークショップが終わるとアイデアのまま実行されず、地域になんの変化ももたらさないものがほとんどで、まちに変化を起こす効果的なワークショップはある程度長い期間と様々なメソッドの組み合わせが必要で、開催条件のハードルは高いという思い込みを持っていました。地方創始 Will Project はそんな私の思い込みを一から見直させ、まちづくりワークショップの可能性を再発見するものとなりました。

今回参加した、地方創生 Will Projectは、滑川市のまちづくりで、こんなことがしたい!こんなものがあったらいいな!これを手伝ってほしい!をみんなで出し合い、提案し、協力者を募り、アイデア出しで終わらせず、具体的なアクションを生み出し加速させる場です。内容はシンプルですが、新たなまちづくりプロジェクトの実践を実現する、パワフルなワークショップです。

前半の「SDGs de 地方創生ゲーム」体験と、後半の「滑川の未来プロジェクト作成ワークショップ」で構成されており、1日で開催が可能なプログラムで、時間の制約の観点からも、開催がしやすいデザインとなっています。

 

■前半 SDGs de 地方創生ゲーム ~プレイヤーとして久々に参加しました!~
いつもはファシリテーターの私が、今回はプレイヤーとして久々の参加です。ファシリテーターですから当然ルールは熟知しているものの、ゲームスタート時のドキドキ感は相変わらずで変わりませんね。経験上このゲームはテクニックに走るほど、本質から離れていくので、協働(つながり)の原理原則(①プレイヤーになりきり、自分の志や目標やほしいサポートを機会を見つけて積極的に「公言」し続ける。②他のプレーヤーの要望を出来るだけ受け止め、可能な限りそれに応える。)を意識してゲームに熱中しました。

他の参加者も、まちづくりを主体的にやっていきたい素晴らしい人たちでしたので、ゲームは今までになく、最高の結果を生み出しました。よかった!ファシリテーターの面目躍如です(笑)

 

■昼食タイム

昼食は、当日の参加者でもあるmama-noの土肥薫さんより、ケータリングを提供していただきました。本当はワイワイといただきかったところですが、新型コロナ対応として、もくもく・もぐもぐの昼食会となりました。地元の素材を使ったお弁当は彩がよくヘルシーで大変美味しくいただきました。ありがとうございました!

 

■後半 滑川の未来プロジェクト作成ワークショップ ~共に手をつなぎ探求する場~

後半、ファシリテーターの竹田さんは、参加者に全面的に主導権を譲り、ワールドカフェやOST(オープンスペーステクノロジー)を使って、場の環境を整えることに徹します。かわりに参加者が主役となり、やりたいプロジェクトの仲間やアドバイスを募り、プロジェクトの全体項構想の発表準備に取り組みます。

前半のゲームで参加者はまちづくりに必要な姿勢を体感できているので、場はすでに温まっています。あとは参加者同士が心をオープンにし対話を広げ深めていきます。ここで大事なことはファシリテーターは参加者を一切操作しようとせず、場があらかじめ想定していたイメージから外れそうになっても、参加者から何も出てこなくても(大概何かが出てきますので杞憂に終わることが多いですが)参加者に場を100%委ねることです。そして、参加者と共にその場にい続ける、その場を瞬間瞬間、観察しつづけ、探求する姿勢を保つことがとても大切になってきます。なぜなら、操作しようとすればするほど、もともとの開催意図から離れていくからです。

■協働がまさに生まれようとする源としての神聖な場

後半のメインイベントは、参加者が円陣をつくり座って、自分の温めてきたプロジェクトを共有したい参加者は、自分の意志で円の真ん中に置かれた机に座って、マイプロジェクトを「公言」するタイトルを書く場面です。参加者が公言するのもしないのも全く自由。なにが起こっても受け入れられる安心感と、未来を創り出したい意欲と心地よい緊張感が入り混じるなか、「公言者」をギャラリーが見守ります。これは儀式のような神聖さを感じる、今回一番印象的な場でした。

■協働のきっかけづくりはシンプル

このワークショップに参加して、協働のきかっけづくりは、きわめてシンプルであることに気づかされました。前にも書いたように、まちづくりで新たな協働プロジェクトをスタートさせるのは難しいものだと思い込んでいたのですが、その思い込みが今回見事に覆されました。次の4つのポイントを押さえて開催すれば、協働の成功確率は格段に上がるはずです。


■まちづくり協働プロジェクト成功の4つのポイント

①参加者選定:まちづくり実践者や実践したいと思う人に事前に声掛けし参加してもらう。
②場づくり:参加者が自己紹介や本当にやりたいことを安心して心おきなく語り合える場をつくる。
③ファシリテーター:上記①②について、事前のワークショップデザインは入念に行う。開催中は、場を操作しようとすることを一切やめ、探求者として常に参加者と共にいることを心がける。
④開催後の繋がりを生み出す仕掛けとして、SNSのグループ機能などで、引き続き参加者同士対話や相談できる体制を用意する。

この4つの条件が整えば、誰かと力を合わせて何かを創り上げる体験のきっかっけとなる場を、効果的に創り出せるはずです。

実際に、滑川のWill Projectでは、楽しく活動していきたいという人同士がつながり、具体的なアクションがいくつも生まれ、進行中のプロジェクトには勢いがつく貴重な場となり、ワークショップ終了後もどんどん繋がりを生み出していく仕掛けで、協働が生まれ育むための良質な場づくりが実現しました。

■「大きな梃をくれれば、地球を動かしてみせる」 (アルキメデス)

かつてアルキメデスが「大きな梃をくれれば、地球を動かしてみせる」といったように、このワークショップは地域を変える梃のような働きがあります。地域のあちこちで開催されれば、一人がもう一人とつながり、それが梃子となり、点から線そして面へと地域に広がっていくことでしょう。そんなゴールを目指す仲間と一緒に、このワークショップを広めていきたいと思っています。

興味のある方は是非お声かけください。一緒にやっていきましょう!

  • 2022 03.04
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事