フューチャー・デザイン&緊張構造チャート ハイブリッド型職員研修レポート(前半)

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はたして行政に正確で創造的な新しい考え方が、生まれ根付く可能性はあるのでしょうか?
私は、職員の思考が変われば、それは明解に可能だと考えています。

木津川市役所の職員研修「SDGsの深化をフューチャー・デザインからアプローチ」にオブザーバーとして同席し、参加者の思考が変わる場を体験しましたのでレポートをしたいと思います。

「SDGsの深化をフューチャー・デザインからアプローチ」研修レポート(前半)

■フューチャー・デザイン(FD)とは
人は、一時的に仮想将来世代になりきることによって、思考経路や思考の視点が変化し、将来世代の利益を明晰に意識するようになり、その結果、将来世代の利益のために思考し、行動するようになる。これがFDの仮設です。
詳細は高知工科大学フューチャー・デザイン研究所サイトを参照

■今回の研修のねらい
・フューチャー・デザイン(FD)の視点を学ぶ
・ワークショップを通して、新たな気づきや対話スキルの向上を目指す
・提案施策内容について、市として事業化も検討

レイアウトは3つの島をつくり、4人1グループで未来のまちづくりについて対話を深めていきます。それぞれZoomオンラインでつながっており録画記録をとることが出来ます。
ちなみにファシリテーター役は別場所から参加でZoomオンライン画面から指示を出して進行していくという形で心配でしたが、十分機能しました。

■研修の手順
手順は、大きく3つのステップで構成されています
今回取り上げた、木津川市の3つのテーマ(子育て、農業、まちの経済活性化(にぎわい・活気づくり))ごとに、グループに分かれてアイスブレイクを行い、フューチャー・デザインに取り掛かります。

ステップ1では「プレゼント・デザイン」を実践します。
20年後(2042年)の木津川市がどうなっているか、ありたい姿、未来ビジョンを描きます。具体的には、各テーマに関する課題が20年後にどうなっているか考え、20年後の状況の変化を具体的にイメージしていきます。
この段階ではメンバーの軸足は現在にある(ノーマルな状況)ので、必然的に出てくる意見は、「いまこうだから、次にはこうなる」といった、問題解決や状況対応タイプの、今の問題や課題にフォーカスし、それらの延長線上での未来を語るものが多くなります。
時間は直線的に流れ、問題解決中心の対話からは、数々の問題解決方法は出るものの、全て問題解決したあと、肝心の自分たちが本当に手に入たい未来ビジョンを生み出すことは出来ません。

ステップ2では「パスト・デザイン」を実践します。

「パスト・デザイン」では、木津川市のこれまでの歩みを踏まえて、各テーマに関して20年前の旧町に対してメッセージを送るとすれば、どのような内容か考を考えていきます。20年前から現在までの歩みに対して、メッセージを送るイメージです。
過去から活動や行動の結果として現在を観察することで、その傾向やパターンを見て取ることが出来れば、因果関係について洞察が得られ、現在・過去・未来の自分たちの行動の結果をより理解できるようになります。

ステップ1とステップ2は次に行う「フューチャー・デザイン」のための準備運動です。

ステップ3は、いよいよ「フューチャー・デザイン」の実践になります。
現在(2042年)の木津川市がどうなっているか、仮想未来人として話し合います。20年前(2022年)から、各テーマに関して、どのような事業展開をし、どのような経過を辿ってきたか、話し合う設定です。ここでは未来の自分たちが手に入れていることからスタートします。参加者の考え方や価値観はそれぞれ異なりますが、未来人は総じてポジティブです。つまり望んでいることを手にしているという前提で対話が進みます。その場の雰囲気も、仮想未来人という設定だと明るいものになります。またステップ1とステップ2を経ることで、現在・過去・未来の自分たちの行動の結果をより理解できるようになっています。

 

ここで、仮想未来人になりきるための面白い仕掛けをご紹介します。
木津川市さんの場合は、COOL CHOICEの黄緑色のイベントジャンパーを用意して、羽織ると仮想未来人になるという仕掛けです。

ちょっとしたことですが、その効果は馬鹿になりません。実際、参加者全員羽織ったとたん、明らかに場の雰囲気が明るくなりました。(笑)面白いですね。ちょっとしたことですが効果絶大ですので、フューチャー・デザインをやろうと思う方は是非真似してみてくださいね。

そして最後は、出てきた議論・政策を「緊張構造チャート」に、ビジョン・ゴール、今のリアリティそして出てきたアクッションステップを記入して、フューチャー・デザインの成果として仕上げました。

 

■前半まとめ

ステップ3で、出てくるアイデアは、ユニークかつ斬新で、自分たちが本当に手に入れたい未来を語っているものでした。アイデアはまだ粗削りですが、自分たちの価値観や志に根差したものになっています。次のプロセスとして、アイデアの精査や数値化できる目標は数値化を図り、総合計画の目標に反映させて、バックキャスティングで戦略を練り実践していくことになりますが、フューチャー・デザインは、本当に創り出したい未来を手に入れるために、職員の思考を変えるきっかけとして大変有効であることを実感しました。

後半は、さらに洞察を深めていきたいと思います。

  • 2022 03.16
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