1日目(前半)
NPO法人グローアップは京都府南丹市を拠点に、女性目線からのまちづくりを進めています。当日の会場は、地域課題の受け皿として誰もが集える場、コミュニティスペース『気になる木JUJU』。古民家をリノベーションした素敵な場
1日目の午前中は、SDGsとまちづくりのつながりを知り、二つを身近に感じることを目的に、公認ファシリテーター、横山 三樹生さんと、岡崎 真弓さんにもお手伝いいただき「SDGs de 地方創生ゲーム」を開催しました。
ゲームの流れ
「SDGs de 地方創生ゲーム」では、行政と市民プレーヤーが行うプロジェクトは、すべてSDGs17のゴールどれかに影響を及ぼすように設計されています。
プレーヤーは自分の志を実現するためにプロジェクトを行い、持続可能なまちを目指すのですが、最初は手持ち資金が少なく、思うようにプロジェクトを実行できません。そこで、今できるプロジェクトを実行することで、手に入れることができる資金や新たなネットワークで、次の選択肢を広げていきます。プロジェクトを実行するには、資金と専門家などの協力者が必要ですが、資金を得るために、行政と交渉が必要です。やろうとするプロジェクトが、まちへどのような好影響を及ぼすのかを説明しなければなりません。必要なお金と資源を集めて、いざ実行したとしても、その結果得られる成果はやってみなければわかりません。やったことがかえってマイナスの影響を及ぼすこともあります。
現実と同様、参加者は、試行錯誤を経て、徐々に学びを深め、時間が経るにつれ効果的なアクションとれるようになってきます。
「SDGs de 地方創生ゲーム」は、プレーヤーが1時間で12年間の現実世界の推移を体験出来るよう緻密にデザインされているため、参加者はゲームで得た気づきから、学びを深めていくことができます。
今回参加された皆さんのゲームに取り組む姿勢は真剣そのもの。特に行政役は、市民からプロジェクトの内容を真剣に聞き、はたしてそのプロジェクトがまちの未来にいい影響を及ぼすのか、納得したうえで支援を決めるスタンスのため、市民も説明に工夫を凝らして一生懸命解説をする光景が、ゲームとは思えないほどもリアルで感心しました。
このゲームは、プレーヤーになり切ってやりことが、多くの気づきを得て、学びを深めるためのポイントなのですが、今回の参加者はその条件を見事に満たしていました。きっと学びもかなり深かったのではないかと思います。
ゲーム参加者の感想
・カードゲームでは、地域を活性化させるためには、人口、経済、環境、社会のどれかだけでなく、それぞれがバランスよく整う事によって成り立ち、動かす事ができ、また、行政をいかにうまく巻き込む事によって変える事が出来る事が学びとなりました。
・SDGsカードゲームでは、1つのまちの中でさまざまな立場(役割)があり、それぞれの働きによって、1つのまちがどのように動き成長していくのかを体感することができました。また、SDGsイシューマップを用いていただいたことで、この世の中のあらゆる事柄が連鎖しているということを理解しやすく、そしてすべてのことを同時に実現・達成させていくことが必要であるとよく分かりました。
・これまでのSDGsへの自分の意識・理解が何段階も深まりました。今後自分が出来ることを探っていきたいと思います。
・カードゲームでは行政側を担当しました。一人一人のプレーヤーが自分のゴールと担う活動に向けて、個々に交渉をすることでそれぞれのポイントが一時下がる結果となり、これは現実社会でもある光景だと思いました。自分のゴールだけを考え進むことで、誰かのゴールを阻み、また全体のランクを下げ、結果住みにくい社会を構築する。最終的には互いに協力することで結果は良いものとなりましたが、自分の目標をいかに社会が良いものとなる未来に向けた段階のどこにあるのか、また未来のための段取りをどのようなの立てていくのかを、対話を通して模索しなければならないなと思いました。
・ゲームの結果は、全く目標を達せず、とりあえずの行き当たりばったりで最後を迎えた感じでした。でもそれは、まるで今の自分の人生を見ているようでした。時間があっという間に流れて行き、焦るばかりでした。今の地域も、私のような人が多いのだろうと思うと、意識改革などに時間がかかりそうで、なかなか大変だなと思いました。でも、このカードゲームで擬似体験が出来るのは素晴らしいですね!地域のために、また地域の人々のために何が出来るのか、自分はどんな風にしていけばいいのか考えられるし、流れがつかめたり、現実に計画が立てやすかったり出来るように感じました。私自身、全てが人ごとだったように思うけど、自分ごととして捉えられるようになりました。まずは家族で、地域のことについて語り合ったり、たまには議論をしたりして、もっと身近なものにして行こうと思いました。