答えを渡さない。問いをひらく。
「どうすれば、社員がもっと主体的に動いてくれるのでしょうか?」
経営者の方から、こんな相談を受けることがあります。
一般的には、社員教育や目標管理、コミュニケーションの改善など、さまざまな解決策が考えられます。
でも、私はすぐに答えを渡すのではなく、こんな問いを置いてみます。
「そもそも、社員が主体的に動いているとは、どんな姿なのでしょう?」
すると、少し沈黙が生まれます。「自分で考えて、判断し、行動している姿かな……」
「では、今の職場では、社員が自分で判断できるようになっていますか?」
ここで、それまでとは違う現実が見え始めます。
仕事の目的が十分に伝わっていない。判断するための情報がない。最後はいつも社長の判断を待っている。
もしかすると、問題は社員の主体性ではなく、社員が主体的に動ける仕事の構造が、まだ十分につくられていないことなのかもしれません。
そう気づけば、次に取り組むことも変わってきます。社員を変えようとするのではなく、仕事の目的を明確にする。判断できる範囲を決める。相談できる関係をつくる。
これは一つの例ですが、問いが変わると、見える現実が変わり、選べる行動も変わっていきます。
私は、こんな瞬間が好きです。誰かに正解を教えられたのではなく、その人自身が新しい可能性に気づき、自分の意志で一歩を踏み出そうとする瞬間です。
専門家として、知識や経験を伝えることは大切です。けれど、答えを急いで渡すことで、相手が自分で考え、創り出す機会を奪ってしまうこともあります。
だからこそ、私は問いを大切にしたい。
問いは、相手を追い込むためのものではありません。
その人の心に、風が通るような余白をつくるもの。
そして、その余白から、まだ存在していなかった未来が静かに芽吹いていく。
人を変えるのではなく、人が自ら創り出す力を発揮できる構造をつくる。
それが、私の目指す構造コンサルティングです。
あなたが今、解決しようとしている問題。
もし、問いそのものを変えてみたら、何が見えてくるでしょうか?

















