構造コンサルタントという仕事は、「教える立場」ではなく、「共に学ぶ旅人」のようなものかもしれない。クライアントの課題と向き合うたびに、自分の未熟さを思い知らされ、そのたびに視野が広がり、新たな気づきを得る。
特に、クライアントが自らの可能性に気づき、目を輝かせる瞬間に立ち会うと、それはまるで霧が晴れ、隠れていた山の頂が現れるような感動がある。視界が開け、新たな風が吹き込む。その瞬間こそが、私にとってこの仕事の最大の喜びだ。クライアントを導いていたはずが、気づけば私自身の成長が原動力となり、さらに前に進む力となっている。
人は、迷いや試行錯誤を繰り返しながら成長していくものだ。もし、何もかもがスムーズに進み、失敗のない仕事ばかりだったとしたら、それは本当に価値のある経験と言えるだろうか。創造とは、単なるアイデアではなく、現実を変える力だ。何かを変えようとすれば、そこには必ず葛藤や困難が伴う。しかし、それを乗り越えたときこそ、人は本当の意味で成長し、結果が血肉となる。
とはいえ、変化は決して簡単なものではない。人は本能的に未知のものを恐れ、現状を維持しようとする。しかし、その不安こそが、新たな可能性の扉なのだ。クライアントが限界を超え、自らの力で一歩を踏み出す瞬間、それは単なる「仕事の成功」ではなく、彼ら自身の「成長の証」となる。そして、その変化を目の当たりにするとき、私自身もまた刺激を受け、学び、成長することになる。
結局のところ、人の成長を支えるということは、同時に自分自身の成長にもつながる。クライアントの変化が、自分の変化を促し、それがやがて社会の変化へとつながっていく。だからこそ、私たちは常に学び続け、変化し続ける必要がある。
もちろん、完璧な道などないし、正解が一つだけとも限らない。ただ、一つだけ確かなのは、試行錯誤の中でしか本当の成長は生まれないということだ。
これからも、多くの出会いと経験の中で、自分自身を問い続け、変化を受け入れながら進んでいきたい。そして、その過程で誰かの成長に少しでも寄り添うことができたなら、それほど嬉しいことはない。
☞ なぜ構造コンサルタントとしての活動が重要なのか?
☞ 活動を通じて提供できる価値
☞ 創造プロセス・構造思考が社会全体の貢献につながるということ
☞ 人間的成長と自己のビジョン
☞ 創造的に生きるための「構造アプローチ」