ビジネス構造コンサルティング事例 株式会社サンガ新社 様

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「ビジネス構造コンサルティングを受けた感想」株式会社サンガ新社 様
※株式会社サンガ破産後、「仏教の智慧をより多くの人に届ける」という志を引き継いだ元社員によって、2021年7月21日に設立されたのが株式会社サンガ新社です。サンガ新社:https://samgha-shinsha.jp/profile/

サンガ新社代表取締役 佐藤由樹さん 

■クリエイティブな事業創造に欠かせない「11の問い」と「緊張構造」

緊張構造チャート策定の取り組みは、創業時に初めて取り組み、今回が2回目になります。創業時に取り組んだときは、事業がうまく進むかどうかのポイントが、属人的なものではなく、その組織の構造にあるということを教えていただき、新しく事業を取り組む自分にとって、希望を感じさせてくれるものでした。

そして、創業時に策定した緊張構造チャートを1年後に見直したときに、それが自分たちの事業の精度を磨き、未来に向けて動き出すための重要な指針になっていることにあらためて気づきました。

まず驚いたのは、日々の仕事の中では「あれこれもやりたいけど、忙しすぎて、なかなか実現できていない」という印象が強かったのですが、実際に振り返ってみると、1年前に掲げた目標の7割ぐらいは達成できていることがわかったのです。
掲げた目標は「達成しなくてはいけない目標」ではなく、「その目標に向かうことで生まれる推進力」が重要だと思いました。自然と生まれる緊張構造の力によって、自分たちは背中を押してもらったり、引っ張ったりしてもらっていることがわかりました。そして面白いことは、その力を生み出したのは、自分自身がつくった緊張構造だったのです。

自分が作り出したい未来に、決められた地図はなく、正しいゴールはどこにも書いていません。しかし、「自分が作り出したい未来・成果」を磨けば、それは自分にとって目指すべきゴールになるのです。そのとき、そのゴールに向けて取り組むべき課題は、半ば自然と出てきますし、それは組織を動かす推進力になります。その振り返りによって、経営という取り組みを、クリエイティブな探求として私たちの目の前に提示してくれるものが、緊張構造チャートだということがわかりました。

初めて経営に取り組むことになった自分にとって、やらなければならないことはたくさんあると感じてしまうのですが、それに振り回されてしまうと、状況対応に終始するだけで終わってしまいます。そのような中で、何を軸にして考え、計画を立て、実行に移していくかの指針になるのが、自分たちで考えた「11の問い」と「緊張構造チャート」でした。
また、この「11の問い」と「緊張構造チャート」の探求を、仲間と共に話し合いながら取り組むことが、何より大切な時間だと思いました。それぞれの力が分散せずに、組織の大きな力となっていくために、これからも「11の問い」と「緊張構造チャート」の作成に取り組んでいきたいです。

次回はあまり期間を長くとらずに、間をあけずに短い期間に集中して探求してみたいと思いました。森さんの親身に寄り添ってくださるご指導はとても心強いものでした。本当にありがとうございました。これからもご指導をよろしくお願いいたします。

サンガ新社取締役 川島 栄作さん(編集、商品企画、セミナー担当)

■白眉だったのは思考のパターンの視覚化、言語化で共同作業の醍醐味を味わえたこと

1.起業前からの連続性
今回のセッションは起業前2021年2月のセッションを受けてのものでしたが、起業1年を経ての現在がどのようなものであるかが、差分と共通性として認識できたという点において、有意義であったと思います。差分として可視化したのは数字の読みや、想定読者としてのペルソナが、起業前の段階では空想的であったことでしょう。もともと「サンガ」が持っている、蓄積されてきた価値を自覚化することがサンガ新社の出発点であったわけですが、その自覚化、再認識を起業前の時期にできていたことは大変に有意義なことであったと理解しました。また共通性という部分では「サンガ」の普遍的な価値というものを意識することで、短期、中期、長期の射程のヴィジョンを描くことに大変有意であったと思います。その実現へのプロセスはこれからの課題になりますが、通底する価値と展開の構造化ができたことは、会社を運転していくうえでビッグピクチャーを前提とした思考の整理ができ、とても役に立っていると思います。

2.外部視点が入ることでの言語化
少人数で運営していることと連関することかもしれませんが、外部の視点、外部からの言葉が入ることで、メンバー間のコミュニケーションが活発化し、日常的には言語化されずにいた価値観や思考、また思考のパターンなどが視覚化、言語化されてくるという経験が、セッションのごとに起きていたと思います。ある種、このライブ感が今回いただいたコンサルティングの白眉ではなかったかと、個人的には感じています。もっともそれはコンサルティングの本来の目的、緊張構造チャートに目標と現実を落とし込むということからすれば余剰の部分かもしれませんが、サンガ新社にとっては大事なプロセスであったろうと思います。

3.ジャンプボードによるブレスト
11の問いを展開的に掘り下げていくツールとして、ジャンプボードを使用いただきましたが、これは大変に良かったです。アイデアが視覚化とすり合わせ、重ね合わせが具体的にでき、複数のラインがあってもそれらをインテグレートしていくことが容易にできました。ブレインストーミングによって思考の外部化をしてクリエイティブな軌道に乗せていく、共同作業の醍醐味を久々に味わいました。これも余剰の部分といえるでしょうが、サンガ新社を下支えする思想の形成に大きく役立っていると思います。

4.仏教を重視する価値観の共有
ファシリテートをいただいた森さん、そしてロバート・フリッツ氏のメソッド自体が、仏教的な価値観を共有していることが、一つのポイントであったと思います。坐禅の心得である調息、調身、調心と重なるような議論の運び方、また「カルマ」という概念を前提無しに使うことができたのも、サンガ新社の事業展開を考えるうえで、本質に直接たどり着くことができたように思います。一般論化しにくい部分ですが、ことサンガ新社にとっては大きな意味がありました。

5.時代とのシンクロニシティ
今回のセッションの始まりは7月8日の安倍晋三元首相の銃殺事件とタイミングが重なりました。時代を底流する意識が変化していく折節に、長期的なヴィジョンと短期的なヴィジョンの両面から会社の事業を考えることができたのは、サンガ新社の担う役割から考えて、意味のある事ではなかったかと思います。あえて今回のセッションをシンクロニシティとしてとらえることも決して無理なことではないと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 2024 02.27
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