④主要行動計画をつくる
SDGsを経営に導入することで、創り出したい成果を定義し、組織の現状を定義し、緊張構造が確立されたら、次のステップは主要行動計画の作成になります。
緊張構造の中で作成される行動計画は、ただのToDoリストではありません。創り出したい成果にフォーカスし、より効果的で実践的な計画を仕立て上げることができるようになります。
◎目標をブラッシュアップし行動計画をアップデートする
今のリアリティは日々変化し続けます。今日のリアリティは明日のリアリティとは違います。緊張構造の中では、チームとして自分たちのリアリティを把握し続けなくてはなりません。そのためには、情報収集がタイムリーにできるための仕組みが必要になるかもしれません。
明確な目標と明確な現在地を知ることができれば、リアリティが変化するごとに理解をアップデートし、行動計画をアップデートしていくことができます。まるでカーナビのように目的地に到達する確率を上げることができるようになります。
もしあなたがマネージャーで、部下に行動を強制したり、聞き分けの悪い連中を操作したりしなければならないとしたら、あなたは緊張構造を使っていません。
緊張構造が支配的な組織で働く人たちは、リアリティを正確に客観視し、自分たちが見ている事実を共有することができます。見解や観察の相違を話し合い、目標に対して現状がどうなっているかを理解しあうことができます。そうなれば、経験し本当に学んだことに基づいて戦略や行動計画を評価して調整することができるようになります。メンバーがとった行動はきちんと評価され、必要なら調整され、次の行動へと続いていきます。メンバーは自ずと創意工夫を凝らし、目標に向かって必要なプロセスを創り出していきます。
ポイント:「緊張構造チャート」で目標を語り、目標から見たリアリティを語れる組織をつくる。
◎行動計画の内容とチェックポイントについて
行動計画はマスターチャートの目標に対してすべての該当部門を巻き込むものになっていることが必要です。
Point1:「目標に対してすべての該当部門を巻き込んでいるか?」
製品開発、研究開発、マーケティング・販売、製造・生産能力開発、品質、マネジメント、情報システム、総務・人事、製品サービス、顧客との関係、出荷・輸送・流通、財務管理、新規事業開発など、事業活動の各領域に行動ステップがあるでしょうか?
主要な行動計画をとりあえず書き上げてみてください。書き上げたら次の問いに答えてください。
Point2:「行動ステップは正確で簡潔に記述されているか?」
行動の詳細を長々と記述するのではなく、ツイッターぐらいの長さで簡潔に記述してください。それを読むと、行動ステップが身に浮かべばOKです。
Point3:「すべての行動ステップを実行したら、目標に到達するか?」
答えはイエスかノーのどちらかです。
イエスだったら完了です。ノーでしたら、イエスと言えるまで、引き続き行動ステップを考えてください。
Point4:「行動ステップの全てに期限があるか?」
期限が入ることで、成果に向けて行動ステップのリアルさが増してきます。
Point5:「行動ステップの全てに責任者がいるか?」
それぞれの行動ステップにつき責任者を一人に絞って決めることで、役割分担が明確になり、具合的な行動が加速されます。