問題解決思考 vs 未来創造思考

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問題解決思考vs未来創造思考

「なぜあの人だと、話がまとまるのか」の著者、田村洋一氏は、本の中で“問題解決は、目標達成の文脈を持って初めて意味を持つ。到達目標なしに問題解決に取り組んではならない”と説いています。

重要な最初の問い
SDGsの取組みやそれ以外でも、なにかを成し遂げたい場合、最初に自分に投げかける問いがとても重要です。戦略的に正しい問いは、到達したいポイントについてです。具体的には「すべてがうまくいったら、あなたはどうなっていますか?何をしていますか?何を手に入れていますか?」という問いになります。

一方で、多くの人が陥りがちな、誤った問いは、問題解決にフォーカスした問いです。「解決すべき問題は何か。その問題はどうしたら解決できるのか。」を真っ先に考えてしまうことです。この問いから出発すると、最初はうまくいくように見えても、途中で揺り戻したり、袋小路に入ってしまったり、もぐらたたきのように、問題解決に振り回される羽目になります。

到達したいポイントにフォーカスした問いは、目的地に近づくために歩くのに対し、問題解決にフォーカスした問いは、問題から遠ざかるために歩くことを意味しており、真逆であることが明らかです。

まったく異なる心の持ちよう
問題解決の心の持ちようは、問題から離れたいとなります。そして問題解決の方向に歩き出すと、解決が進むにつれ、当初の「問題」はどんどん見えなくなっていき、歩き続ける意欲も失われていきます。一方、目的地(目標)に向かって歩く場合は、心の持ちようはまるで異なり、目的地をもっと見てみたいとなります。そして目標に近づくにつれ、歩みに勢いがついてきます。
SDGsの取り組みは、目先の問題解決や状況対応ではなく、創り出したい未来という目的地を目指して歩み始める未来創造です。
もちろん取組みの途中で、解決しなければならない問題や状況への対応が、必要なことはありますが、それらは目標達成のための手段という位置づけです。

日々の仕事で、目の前の問題の対応に追われていると、本来の目的を忘れてしまうことがあります。そのような状況が続くと、仕事を一生懸命こなしてやり終えても、どこかむなしく、疲労感のみが溜まる感じになります。

そんなときこそ、SDGsの取組で心から創り出したい、手に入れたい成果を、思い出してください。そして、日々の問題解決や状況対応などの活動によって、スタート時点の状況からゴールにどれほど近づいたかを客観的に観察してみてください。小さな前進でOKです。
もし少しでも近づいていることが確認できたのなら、そのことをしっかり評価してあげてください。そして、それらの経験を活かし、さらに巧みにゴールに近づくための策を考えてみてください。
もしゴールに近づいていないことが判明したら、別のアクションをとる必要のサインです。プランAで、達成できないことが判明したら、ブランBで実行する道が開けたという意味で、一歩前進です。

  • 2020 11.14
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